診療科の概要
内分泌・代謝内科では糖尿病、肥満症、脂質異常症や内分泌疾患の診療を専門に行っています。
糖尿病は1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、薬剤性糖尿病その他の糖尿病いずれにも対応いたします。肥満症治療についても積極的に取り組んでいます。内分泌疾患に関しては甲状腺・副甲状腺疾患、下垂体疾患、副腎疾患、その他内分泌ホルモン異常の精査などの検査、治療を行っています。
特色
糖尿病専門医、内分泌専門医を含め常勤医4名で診療を行っています。当施設は日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会教育認定施設に認定されており、診療のみでなく臨床研究や学会発表など含め専門医や糖尿病療養指導士の育成にも取り組んでいます。
糖尿病部門
健診で異常を指摘された未治療の糖尿病はもちろん、かかりつけ医での糖尿病管理が困難である紹介患者さんも多く受診されます。
外来診療で血糖コントロールを行うことが難しい症例は入院による血糖管理を行います。血糖コントロールや糖尿病教育を目的とした入院は2~3週間程度の期間で行っています。毎週木曜日には、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士を含めた糖尿病療養指導士で構成される糖尿病患者支援チームと共に糖尿病カンファランス、糖尿病回診を行っており、個々の患者さんに応じた適切な糖尿病治療を提供しております。退院後は原則として紹介していただいた医療機関での加療継続、あるいは必要に応じて良好な経過が確認できるまで当院外来で診療継続とします。
当科の入院患者さんの他、他科に入院中の糖尿病患者さんについても随時併診コンサルトを受けつけています。
肥満症部門
糖尿病・内分泌内科では、抗肥満症薬「ゼップバウンドⓇ(一般名:チルゼパチド)」および「ウゴービⓇ(一般名:セマグルチド)」を用いた肥満症の保険診療を行っています
- 食事、運動療法だけでは十分な減量が得られていない方
- 高血圧、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝など、肥満に関連する疾患をお持ちの方
- 肥満による膝や腰の負担(関節痛)を感じている方
などに特に治療をおすすめしています。
治療対象となる方(保険診療の適用条件)
以下のすべてを満たす方が対象です。
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【1】BMIが27以上で、生活習慣の改善のみでは十分な減量が得られていない方
※BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)² -
【2】肥満による健康障害(①~⑪)がある方
- BMI27~35の方→①②③のいずれかに加えて④~⑪のいずれか1つ以上
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BMI35以上の方→①②③のいずれかがあれば対象になります
- ①耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- ②脂質異常症
- ③高血圧
- ④高尿酸血症・痛風
- ⑤冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)
- ⑥脳梗塞・一過性脳虚血発作
- ⑦非アルコール性脂肪性肝疾患
- ⑧月経異常・女性不妊
- ⑨閉経性睡眠時無呼吸症候群・肥満低喚気症候群
- ⑩運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
- ⑪肥満関連腎臓病
(治療方針および費用について)
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薬による治療を始める前に、初診時から半年間の準備期間が必要となります。
この期間中、1-2か月ごとに医師による診察、および管理栄養士による栄養指導を受けながら、減量に取り組んでいただき、半年後に薬物治療(注射)が可能となります。
- 治療費は保険適用(3割負担)の場合、月額15,000〜20,000円程度が目安です(薬剤費・診察料等含む)詳しくは診察時にご説明いたします。
- 治療の対象となるかご不安な方は、糖尿病・内分泌内科外来までお気軽にご相談ください。
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初診を含め予約制となっていますので、お電話での予約をお願いいたします。
大牟田市立病院 内分泌代謝内科受付
甲状腺・内分泌部門
バセドウ病や橋本病などの甲状腺機能異常、甲状腺腫瘍など、甲状腺の病気は近年メディアの影響で患者さんたちを含め多くの人たちに知られるようになってきており、自覚症状などで甲状腺ホルモン異常を自身で疑って受診される方や、他院からの紹介受診も大変増えてきています。
診断のはっきりしない腫瘍性病変に対しては、診断の一助とすべく毎週木曜日14:00~16:00に甲状腺細胞診を行っています。
また他の疾患で検査(採血、エコーやCTなど)を行った際にたまたま見つかった電解質異常、甲状腺の腫瘍や副腎腫瘍も外来患者さんの多くを占めています。専門的立場から患者さんへ説明、検査を行い、必要に応じて経過観察や治療への運びを行っています。
紹介をいただく先⽣⽅へ
軽症糖尿病に対する糖尿病教育から、血糖コントロール不良の糖尿病、重症合併症を伴った糖尿病まで幅広く対応いたします。また、肥満症の治療適応の有無についてもお気軽にご連絡ください。他の診療科に紹介いただく糖尿病合併の患者さんにも随時対応いたします。状態が安定した患者さんの逆紹介にも積極的に取り組んでまいりますので、是非ともお気軽にご紹介ください。
内分泌疾患は、診療内容の特殊性から、診断が困難な症例が多数あります。診断が確定していなくても内分泌疾患が疑わしいだけでも結構ですので遠慮なくご紹介ください。
当院で継続診療となる症例が多いのですが、状態が落ち着いている患者さんや治療が固定している患者さんについては逆紹介を進めて参ります。
糖尿病教育入院について
当院では 2 週間の糖尿病教育入院を行っております。
目的
- 1)患者さんに糖尿病とはどんな病気か?将来どのような合併症が待っているか?など正しい知識を持って頂き、入院までの生活の問題点を確認し、その改善を計ることで退院後の良好な糖代謝コントロールの維持、将来の合併症の進行を抑制することを目標とする。
- 2)また、入院中には糖尿病の合併症だけでなく、合併する代謝異常に対しても精査を行い治療方針の決定に役立てる。
- 3)入院を通し、他の入院患者さんとのコミュニケーションを計ることでいろいろな知識の習得や情報交換の場としても活用できる。
効果
- 1)糖尿病およびその合併症を実感することで、今後の治療に対する動機付けとなり、治療意欲(実践)の向上に繋がります。
- 2)短期間で糖尿病の実践的知識を獲得できます。
- 3)患者様自身の健康維持と満足感・充実感の獲得と合併症の予防が期待できます。
内容
1.指導
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1)集団指導
- 糖尿病教室:下表のスケジュールのとおり15時30分から40分程度の対話形式の講義(全員)で独自のテキストを使用します。
- ビデオ教室:集団指導・個別指導の強化を目的で行います。(希望者および選抜者)
- 栄養指導:食事療法の基礎を集団で獲得します。
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2)個別指導
- 日常生活指導:フットケア、口腔内清掃、シックデイ対策など(各人)
- 栄養指導:生活パターンやニーズに合わせた指導を行います(各人)
- 運動療法指導:循環器および骨関節の検査後に運動処方を立て、モデルコースを用いた指導を行います(各人)
- おさらいテスト:どの程度の実践的知識を得ることができたか確認し、それによりさらなる知識獲得の強化を行います(各人)
2.検査
- 1)代謝異常の病態把握のための検査
- 2)糖尿病に関連する合併症のための検査(全身の動脈硬化病変の状態評価を行い心・脳イベントの発症予防を目指します)
- 3)必要に応じて消化管検査等
(対象者)全糖尿病患者様ですが、内容・方法は患者の年齢・環境・合併症の程度やニーズに合わせて設定します。
令和7年度糖尿病教室スケジュール
| 第1週 | 火 | 糖尿病とうまくつきあおう(糖尿病とは) | 医師 |
|---|---|---|---|
| 水 | どれくらい食べたらいいの? ~食事療法1~ | 管理栄養士 | |
| 木 | フットケアと日常生活の注意点 | 看護師 | |
| 腎臓病・透析について | 透析看護師 | ||
| 金 | 先生、この検査はなんね?(糖尿病の検査) | 臨床検査技師(16時) | |
| 第2週 | 火 | くすりの良く効く方法(薬物療法) | 薬剤師 |
| 水 | なにを食べたらいいの? ~食事療法2~ | 管理栄養士 | |
| 木 | 効果的に運動しましょう!(運動療法) | 理学療法士 | |
| 金 | こわかー?糖尿病(糖尿病の合併症) | 医師 |
スタッフ紹介
徳渕 市朗
糖尿病 / 内分泌藤田保健衛生大学(平成15年卒)
- 日本内科学会認定内科医・指導医
- 日本糖尿病学会専門医・研修指導医
- 日本内分泌学会専門医・指導医
- 日本甲状腺学会専門医
- 日本糖尿病学会九州支部評議員
- 日本内分泌学会九州支部評議員
田中 佳世
糖尿病 / 内分泌大分大学(平成17年卒)
- 日本内科学会総合内科専門医・指導医
- 日本糖尿病学会専門医
加瀬 聖也
糖尿病 / 内分泌久留米大学(令和4年卒)