2015年(平成27年)5月に内視鏡センターを開設しました。内視鏡室は3室構成で、健診内視鏡から早期癌の治療まで行っており、透視室では消化管ステント留置術や胆膵内視鏡などを行っております。飛沫感染予防にも力を入れており、COVID-19等の感染が疑わしい方の緊急内視鏡にも24時間対応できる体制を整えています。
令和4年12月1日付けで日本消化器内視鏡学会指導施設に認定されました。学会認定指導医のもと専門医受験資格が取得可能になります。
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撮影室
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吊り下げ式モニターとCOVID-19にも対応できる内視鏡治療の様子
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患者さんに、より苦痛を少なく、より安心して検査を受けていただくために、スタッフの声かけを徹底し、鎮静剤を使用した内視鏡検査にも対応しております(※鎮静剤の効果には個人差があります。※鎮静剤を使用された方は車両の運転は禁止させていただいております)。
また、大腸検査を受けられる患者様のために、専用のお部屋(各室にウォシュレット付きトイレ・リクライニングチェア・TVを完備)を5室設けており、より快適に検査を受けていただけるよう配慮しています。
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更衣室
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リカバリーブース(回復室)
当センターでは健診内視鏡から近隣の病院・クリニックからご紹介いただいた方の精査内視鏡や様々な消化管・胆膵内視鏡治療を行っております。
当センターで行う内視鏡治療はお腹を切らない、お腹に穴を開けない治療です(外科合同手術LECSなどは除きます)。
近年、消化管早期癌に対する治療、特に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に力を入れており、咽頭・食道・胃・十二指腸・大腸とあらゆる臓器で治療させていただいております。近隣の先生方のご紹介もあり、筑後地域では久留米大学病院に次ぐ症例数を経験させていただいております。またNTT東日本 関東病院を始め、日本医科大学や横浜市立大学などの多数の施設・大学病院と共同研究などを行い、さらに安全に、より高いレベルの治療を提供できるよう努力いたしております。
最近はESD後潰瘍からの後出血や遅発性穿孔のリスクを減らすため創部閉鎖を積極的に行っております。創部閉鎖をすることで、ESD翌日から食事を再開でき、退院後の食事制限も不要になるため患者さんには喜んでいただいております。当センターでは止血用クリップと外科縫合糸で創部を閉じるCLiPSや、外科手術の針糸で完全に創部を閉鎖する内視鏡的手縫い縫合法(EHS)を導入しております。EHSは胃(幽門・噴門除く)と大腸のみ適応となります。EHSは非常に有効な創部閉鎖ですが、難易度が高いため多くの施設で敬遠されがちです。当センターは2023年にKotobuki Medical社と共同でEHSのトレーニングシートを開発しました。共同研究でも手技向上に一定の成果がみられており、安心して治療を受けていただけます。
ESD手技を応用した他科との合同手術も積極的に行っており、GISTなどの粘膜下腫瘍や十二指腸腫瘍に対するLECS(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)や、咽頭表在癌等に対する耳鼻科との合同手術であるELPS(endoscopic laryngopharyngeal surgery)にも対応可能です。
またMEも常駐し、内視鏡技師免許を有するコメディカルスタッフも6人所属しており円滑な検査・治療を行えております。
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CLiPS
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内視鏡的手縫い縫合法(EHS)
【2023年度診療実績】
・上部消化管内視鏡検査のみ 2,719例
・上部消化管内視鏡治療 226例
(うち咽頭・食道ESD22例、胃ESD81例)
・下部消化管内視鏡治療 757例
(うち大腸ESD67例)
・下部消化管内視鏡検査のみ 785例
・内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)関連 252例
ESD・EMRについて
コールドポリペクトミーについて
ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影法)について
咽喉頭表在癌に対する内視鏡治療(ESD・ELPS)について※ELPS(内視鏡的咽頭喉頭手術)
また2ヶ月毎にNTT東日本関東病院の大圃研先生に来ていただき、高難易度症例の治療・指導を行っていただいております。
内視鏡の技術指導を賜っている先生方のご紹介
検査・処置名 | 対象疾患例 | |
検 査 |
上部・下部内視鏡検査 | |
シングルバルーンを用いた小腸内視鏡検査 | Crohn病・小腸腫瘍etc.. | |
内視鏡的逆行性膵胆管造影 (ERCP) での検査 | 胆管癌・膵癌・総胆管結石 etc.. | |
処 置 |
内視鏡用超音波プロープを用いた腫瘍の深達度診断 | 消化管癌、GISTなどの粘膜下腫瘍 |
上部・下部消化管出血に対する止血処置 | 出血性潰瘍・食道静脈瘤破裂・血管拡張症等からの出血 | |
ESD 、EMR(Hybrid EMR、留置スネア等も含む) | 食道・胃・大腸の早期癌やポリープ | |
十二指腸腫瘍に対するEMR · EMRO(EMR with OTSC) | 十二指腸腺腫・神経内分泌腫瘍 | |
外来Cold polypectomy | 大腸腺腫(10mm 未満) | |
LECS(腹腔鏡・内視鏡合同手術) | GISTなどの粘膜下腫瘍等 | |
内視鏡的逆行性膵胆管(ERCP) でのステント留置(メタリック含む).採石等 | 胆管癌・膵頭部癌 etc.. | |
消化管狭窄に対する拡張術(バルーン拡張、ステント留置) | 食道癌・食道潰瘍・食道ESD後狭窄 | |
上部・下部消化管異物に対する摘出術 | 義歯・PTP誤飲etc.. | |
胃痩造設術、胃痩交換 | ||
S状結腸捻転に対する内視鏡的処置 |
検査名 | 対象疾患例 |
上部・下部内視鏡検査 | |
シングルバルーンを用いた小腸内視鏡検査 | Crohn病 小腸腫瘍etc.. |
内視鏡的逆行性膵胆管造影 (ERCP) での検査 | 胆管癌 膵癌 総胆管結石 etc.. |
処置名 | 対象疾患例 |
内視鏡用超音波プロープを用いた腫瘍の深達度診断 | 消化管癌 GISTなどの粘膜下腫瘍 |
上部・下部消化管出血に対する止血処置 | 出血性潰瘍 食道静脈瘤破裂 血管拡張症等からの出血 |
ESD 、EMR(Hybrid EMR、留置スネア等も含む) | 食道・胃・大腸の早期癌やポリープ |
十二指腸腫瘍に対するEMR · EMRO(EMR with OTSC) | 十二指腸腺腫 神経内分泌腫瘍 |
外来Cold polypectomy | 大腸腺腫(10mm 未満) |
LECS(腹腔鏡・内視鏡合同手術) | GISTなどの粘膜下腫瘍等 |
内視鏡的逆行性膵胆管(ERCP) でのステント留置(メタリック含む).採石等 | 胆管癌 膵頭部癌 etc.. |
消化管狭窄に対する拡張術(バルーン拡張、ステント留置) | 食道癌 食道潰瘍 食道ESD後狭窄 |
上部・下部消化管異物に対する摘出術 | 義歯 PTP誤飲etc.. |
胃痩造設術、胃痩交換 | |
S状結腸捻転に対する内視鏡的処置 |
EMRは、治療が比較的短時間で済みますが、一度に切り取ることができる病変がスネアの大きさ (約 2cm)までと制限があるのに対し、 ESDでは専用の処置具を使い、より広範囲に病変を切り取ることが可能な治療法です。
また ESDと EMRを良いとこ取りをした Hybrid EMRに関しても当院で対応可能です。各治療の選択については専門医が判断致します。
いずれの治療法でも切り取られた病変は、最終的に顕微鏡でその組織の様子が確認され(病理検査)、組織型や深さ等に応じて、ガイドラインに沿って治療の効果判定をします(追加外科治療の有無等)。
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専用の鉗子でポリープをつまんで摘除する方法と、スネアでポリープの根元を絞めて摘除する方法があります。原則は、 4mm以下の小さいポリープは鉗子(カンシ)でつまみ、 5mm以上のポリープはスネアを使用します。
生切りなので、摘除直後はわずかに出血します。しかし、出血は数分で止まり、後出血はまず見られません。ポリープ(腺腫)は「粘膜」に限局した病変です。粘膜のレベルの「生傷」は、大きくても治癒が早く重大なトラブルを起こしません。
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高周波電流を使用するポリープ切除術( EMR等)は、電流を流しながら切除するため、切除部位は熱傷になります。この熱傷は、「粘膜」の下に位置する「粘膜下層」まで及びます。血管は主にこの粘膜下層にあります。熱傷により粘膜下層の血管が破たんすることにより、後出血をきたします。
コールドポリペクトミーは、粘膜下層は傷つけずに粘膜の病変のみを摘除する方法なので、出血や穿孔の危険性は低く安全な方法といわれています。しかし、皆無ではないので、摘除部位をクリップで縫縮することもあります。
全例、入院で検査・治療を行います。
咽頭麻酔を行ない、患者さんは腹臥位(ふくがい・顔を横向けにしうつ伏せに寝た状態)になっていただきます。鎮静剤を点滴ルートから投与後、口から内視鏡スコープ(側視鏡)を十二指腸まで挿入します。内視鏡で十二指腸のVater乳頭(読み方は「ファーターにゅうとう」)から細いカテーテルを挿入し造影剤を注入します。X線透視下で胆管・膵管を造影し、病変の評価を行います。病変が採石可能な石であれば排出、腫瘍であれば細胞採取などを行い、狭窄部にステント(プラスチックや金属の筒)を留置し、胆汁などの流れを確保し終了します。
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合併症として
・ERCP後膵炎
・胆管炎
・胆管・膵管損傷
・十二指腸裂傷
・造影剤・鎮静剤の副作用
などがございます。
全身麻酔・人工呼吸管理下で耳鼻科医師により治療に適した体位を作ります。
内視鏡で病変を観察後、ルゴール(ヨード)を病変に垂らし染色します。すると写真①のように癌の部分がピンク色に抜けて見えるので、その周囲をナイフでマーキングを行います。その後、生理食塩水を病変の下に局所注入し病変を膨隆させ、高周波電流を用いたナイフでマーキングの外側を切開し、病変の下を剥離していきます(写真②)。病変の下に潜りこみにくい場合には、細い鉗子で病変をつかんで引っ張ることで、良好な視野で剥離を進めていくことができ、食道や胃よりも簡便に剥離を進めていくこともできます。切除時間は病変の場所やサイズにもよりますが10~数十分程度です。
治療後、喉のむくみ具合によっては翌日まで人工呼吸管理とさせてもらうこともありますが、ほとんどの方は、術翌日より食事開始し1週間前後の入院期間で退院されております。
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治療後は人工的な潰瘍ができます。サイズにもよりますが、数週間で閉じることがほとんどです。若干の変形を伴いますが、嚥下や発声機能に影響はありません。摘出した病変は病理組織学検査を行い、癌がとりきれているか、追加の治療が必要かどうかを診断することができます。
この治療のメリットは体の表面に傷がつかないことはもちろん、前述した嚥下・発声機能の温存ができること。また先端長が1.5mmの小さなナイフで切開・剥離を行うため腫瘍を適切な大きさ・深さで摘出し、かつ組織検査で顕微鏡レベルで判定することで、より正確に癌のステージングをすることができます。
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(宮本内科医院 院長)
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器病学会九州支部評議員
日本消化器内視鏡学会九州支部評議員
日本肝臓学会専門医
日本消化器がん検診学会認定医
がん治療認定医(暫定教育医)
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日本消化器内視鏡学会 指導医
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(山鹿中央病院 副院長)
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本内科学会認定医
熊本県胃がん大腸がん検診部会委員
H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医
京都大学腫瘍薬物治療学講座 客員研究員
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帝京大学医学部付属溝口病院 消化器内科 非常勤講師
東京女子医大付属成人医学センター 消化器科 非常勤講師
大連医科大学付属 大連市中心病院 消化内鏡二科 特聘教授
Qilu Hospital of Shandong University 消化器科 客員教授
蘇州相城区人民医院 消化器内科 主任
北京大学付属人民医院 消化器科 客員教授
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(宮本内科医院 院長)
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器病学会九州支部評議員
日本消化器内視鏡学会九州支部評議員
日本肝臓学会専門医
日本消化器がん検診学会認定医
がん治療認定医(暫定教育医)
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日本消化器内視鏡学会 指導医
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(山鹿中央病院 副院長)
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本内科学会認定医
熊本県胃がん大腸がん検診部会委員
H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医
京都大学腫瘍薬物治療学講座 客員研究員
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帝京大学医学部付属溝口病院
消化器科 非常勤講師
大連医科大学付属 大連市中心病院
消化内鏡二科 特聘教授
Qilu Hospital of Shandong University
消化器科 客員教授
蘇州相城区人民医院 消化器内科 主任
北京大学付属人民医院 消化器科 客員教授
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診療科・部門
内科系
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センター
チーム医療等
部門