良質で高度な医療を提供し、住民に愛される病院を目指します。 
 
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 (診療科・部門)
 リハビリテーション科

 大牟田市立病院は福岡県南部の有明医療圏において急性期医療を担っている病院です。主に脳神経外科、整形外科など多科に渡る多くの急性期疾患に対して診療を行っております。一方、当院はがん拠点病院でもあり、急性期疾患以外にもがん患者さんや心不全など慢性期疾患まで幅広く診療を行っております。そもそも大牟田市は福岡県の中でも高齢化率が高く、入院患者さんの多くは高齢者です。それゆえ入院に伴う筋力低下、認知機能低下、嚥下機能の低下など若年者とは異なる問題を有する患者さんも多くおられます。このような当院においてリハビリテーション科は非常に重要な存在です。当院には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在籍しており、急性期疾患や慢性期疾患、がん患者さんや高齢患者さんなど、あらゆる病態の患者さんに対してリハビリテーションを提供しております。病気や外傷により生じた機能障害を回復させて以前の生活への復帰を目指す、また現状の機能を悪化させずに維持して入院前の生活に戻ることを目標に個々の患者さんに見合ったリハビリテーションを提供しております。専門性の観点からは当院整形外科は手外科を専門としており、それらの患者さんに対応できるようハンドセラピーに特化した作業療法士も活躍しています。また当院内には呼吸サポートチーム、認知症ケアチーム、緩和ケアチーム、摂食嚥下チーム、褥瘡チーム、栄養サポートチームなど多職種で構成されたチームが活動しており、リハビリテーション科スタッフもそれぞれのチームに所属して多職種連携で診療の支援を行っております。リハビリテーション科に所属するスタッフは臨床業務以外に学会活動にも力を入れており、自己研鑽に努め、最新の技術を身につけることで、患者さんのため、より質の高いリハビリテーションを提供することを目標に頑張っております。
 若いスタッフも多く、日々、明るく元気よく患者さん firstでリハビリテーションを行っております。これからも当院リハビリテーション科をよろしくお願い致します。
 
大牟田市立病院 リハビリテーション科部長 
倉本 晃一
■スタッフ数:理学療法士13名、作業療法士6名、言語聴覚士2名


■認定資格者一覧

●専門理学療法士:(運動器)1名
●認定理学療法士:(呼吸)2名、(運動器)2名
●3学会合同呼吸療法認定士:6名
●心臓リハビリテーション指導士:1名
●褥瘡学会認定理学療法士:1名
●がんリハ研修終了:PT7名、OT3名、ST2名
●日本接触嚥下リハビリテーション学会認定士:ST1名

■施設基準

●脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)
●廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)
●運動器リハビリテーション(Ⅰ)
●呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
●心大血管リハビリテーション(Ⅰ)
●がん患者リハビリテーション  

■診療時間
月~金/8:30~17:15(土曜日は交代勤務 8:30~12:30入院のみ診療)

■理学療法(PT)

【運動器部門】
 外傷による骨折や脊椎・脊髄損傷、関節症、切断などの患者さんに対して
の理学療法を行います。術前および術後翌日から理学療法を開始して車いすへの移乗や荷重許可の範囲で歩行練習を進めていきます。また、地域連携の一環として大腿骨近位部骨折パスを活用し情報の相互共有を進めています。
【脳血管部門】
 脳血管障害(脳出血や脳梗塞)や脳腫瘍の術前・術後の理学療法を行います。意識状態や血圧管理等のリスク管理を行いながら早期離床を実施しています。また、重度の麻痺がある場合でも、歩行補助具を使用し早期から積極的な歩行練習を行っています。また、脳卒中パスを活用し、地域連携の強化と相互共有を進めています。
【救急・外科部門】

 救急病棟在室中・緊急手術を受けられた患者様、呼吸器装着中の患者様などに対して理学療法を行っております。早期から介入することで合併症・廃用症候群を予防する役割を担っています。
医師はもとより、心臓リハビリテーション指導士資格を有する理学療法士や3学会合同呼吸療法認定士資格を有する理学療法士、作業療法士、看護師、臨床工学士が相互に連携を取り、質の高いサービスの提供を目指しています。

【心大血管部門】
 循環器内科では、主に心不全などの心臓病によって体力や運動機能
が低下した患者さんの理学療法を行います。運動耐容能や生活機能向上を目的に、一人一人の患者さんの病態を評価し、心拍数や酸素飽和度などを確認しながら、個人のレベルに応じた運動プログラムを設定して取り組んでいます。
【がん・内科部門】 
 がん患者を対象としたリハビリテーションは、治療の時期によって予防的、回復的、維持的および緩和リハビリ(緩和ケア主体の時期)の大きく 4つの段階に分けられ、いずれの段階においてもリハビリテーションは必要であるとされています。当院においても、あらゆる時期のがん患者様に対し、必要性と要望に寄り添った理学療法を提供しています。具体的には、各癌種の手術前の呼吸・運動指導、手術後の早期離床支援、化学療法や放射線治療中の身体機能・ ADL能力維持を目的とした理学療法、緩和ケアを主体とする時期の QOL向上を目的とした理学療法等に取り組んでいます。患者さんの要望を把握しきめ細やかな対応ができるよう、緩和ケアチームやキャンサーボードにも参加し、情報収集や他職種連携にも力を入れています。
内部疾患部門】 
 内部疾患部門では、消化器疾患、腎臓疾患、内分泌代謝異常、泌尿器疾患、呼吸器疾患など、さまざまな内部障害によって身体機能や日常生活動作( ADL)能力が低下された患者様を対象に、その病態に応じた理学療法を提供しています。患者様の早期退院の実現を目指した理学療法を提供することはもちろん、糖尿病や慢性腎臓病に対する教育入院や、人工透析導入のため入院された患者様らを対象とした運動指導・生活指導に取り組むなど、幅広いニーズに対応できるよう努めています。

■作業療法(OT)

作業療法のご紹介はこちら

【運動器部門】

 運動器部門では、上肢骨折、脊髄損傷、関節症、腱損傷の患者さんに対して、機能練習やADL(日常生活動作)指導を行っています。手外科部門では手術見学を行い、手術翌日から作業療法が開始されます。また、スプリント療法(装具療法)も実施しており、作業療法士が各疾患や患者さんに合わせたスプリントを作成し、使用法の指導などを行います。専門的なスタッフが最適なリハビリテーションを提供し、早期の機能回復をサポートします。

【脳血管部門】 
 脳血管部門では、脳血管疾患の患者さんに対して、リスク管理をしながら早期の離床を促し、 ADL(日常生活動作)の向上を目指しています。また、家事や職業に即した練習を進めることで、患者さんの生活に密着したリハビリテーションを行っています。認知機能や高次脳機能(記憶力や判断力など)の検査も実施し、必要に応じて自動車運転再開のスクリーニングも行っています。総合的な回復を支援するため、専門的なスタッフが最善のケアを提供します。
【その他】
 週に1回入院患者さんを対象として院内デイケアを開催しています。作業療法士が中心となり、体操や歌を歌うなど入院中の認知機能維持や賦活に努めています。
また、早期の自宅退院をサポートするために、 ADLIADL(手段的日常生活)の向上に取り組んでいます。また、環境設定を含めた総合的な介入も行っています。入院中の精神的なサポートも大切にし、 QOL(生活の質)向上のために趣味活動を取り入れています。専門的なチームが、継続的なケアと支援を提供します。

■言語聴覚療法(ST)

【脳血管部門】
 脳血管疾患の患者さんに対し、摂食・嚥下機能や言語機能の評価・訓練を実施しています。摂食・嚥下に関しては、嚥下訓練以外にも主治医や看護師などと連携し、食事訓練開始時期や代償対応(食形態・摂取姿勢・介助方)も検討していきます。言語機能に関しては、構音障害(発音に障害が生じる)や失語症(話す・聞く・読む・書くに障害が生じる)など様々な形で言語障害も併発される患者さんへの評価及び練習・指導を行い、コミュニケーション促進を図ります。
【その他】

  耳鼻科との共診(嚥下造影検査)

 
 がんなど様々な疾患による嚥下障害・誤嚥性肺炎を併発された患者さんに対し、嚥下訓練や言語機能訓練を実施しています。また耳鼻科による内視鏡下嚥下機能検査や造影検査などの他覚的評価も行いながら、安全かつ段階的な経口訓練を計画・実践しています。
 当科では院内で活動している様々なチームに参加し、多職種と情報共有を行いながら医療の質の向上を目指しています。
■回診参加
 脳神経外科・整形外科・内科・循環器内科・腎臓内科・内分泌代謝科
■院内チーム活動の参加
・緩和ケアチーム・褥瘡対策チーム・栄養サポートチーム・呼吸サポートチーム
・摂食嚥下サポートチーム・糖尿病患者サポートチーム・認知症ケアサポートチーム

  RSTチームカンファ風景

 

  循環器回診風景

  摂食嚥下サポートチーム           
  嚥下スクリーニングテストの勉強会風景

 

  整形外科回診風景

 当院では患者診療の他にも、当院では地域医療への貢献を目的に、大牟田市の事業である出前講座に 8講座にエントリーしています。
地域市民の皆様に対して、リハビリや予防医学の理解を深めていただくことができるよう、転倒予防や肩こり、認知症、嚥下のことなど幅広い講座を行っています。